今回は「クレジットカードの手数料」について解説します。
クレジットカードを持っていれば、現金がなくても買い物ができるので、デートや旅行、通販サイトの商品購入などで大活躍してくれます。
しかし、ついつい使い過ぎてしまって、「知らない間に高額な手数料を請求されてしまった!」なんてこともあります。
そこで今回は
といった内容を紹介しています。
この記事を読めば、「お店から違法な手数料を請求された時の判断方法や対処法」がわかるだけでなく、「分割払いやリボ払いと通常の支払い時の手数料の違い」もわかります。
本記事では、知識不足が原因で損をしないために、今すぐできる・手数料を節約する方法をまとめています。
ぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。
クレジットカードの手数料2種類を比較
クレジットカードの手数料と一口に言っても、大きく分けると2つに分類できます。
まずは、2種類の手数料についてご紹介します。
①利用者にかかる手数料
一つ目は、私たち利用者にかかる手数料です。
1回払い(一括払い)・2回払い・ボーナス払いなど、通常の支払い方法で手数料がかかることはありません。
しかし、リボ払いや分割払いなどを使うと手数料を支払わなければなりません。
支払い方法や回数によってかかる手数料が異なり、また複雑な仕組みになっています。
身近で明日から使える知識になるので、本記事ではこちらの「利用者にかかる手数料」に比重を置いて分かりやすく解説します。
普段のお買い物で、手数料がかかることはありません。
ただし、複数回払いやリボ払いの選択時、カード更新時に手数料がかかります。
具体的には「クレジットカードの手数料がかかるよくあるケース」で解説しています。
②店舗にかかる手数料:加盟店手数料(決済手数料)
二つ目は、店舗にかかる手数料です。
スーパーやコンビニ、ネットショッピングやECサイトなど、私たちがクレジットカードを使って決済するたびに、加盟店手数料(決済手数料)として、お店(販売店)はクレジットカード会社(決済代行会社)に手数料を払っています。
加盟店手数料(決済手数料)の目安は3%~5%程で、業種や売上の取扱い額によっても変わります。
店舗側がクレジットカードを導入する理由としては、顧客・売上の増加が見込めること、お金の管理の負担を軽減できることなどが一般的です。
クレカ・ソムリエ近年では電子決済の普及によって財布を持ち歩かない人が増えたり、コロナの影響で現金に触れたくないという人が増えているため、もしお店側がクレジットカード払いを導入していなければ、そうしたお客さんの利用機会を逃してしまうリスクが出てきます。
そのため、お店側はクレジットカード会社の加盟店になり、加盟店手数料(決済手数料)を支払ってでも、クレジットカード決済ができるようにしているのです。
ただし、手数料で気になるのは「私たち利用者が支払う手数料」の方ですよね?
つづいては、どういったタイミングで私たちの支払いに「手数料が発生するのか?」を解説します。
クレジットカードの手数料がかかるよくあるケース
3回以上の分割払い・リボ払い・スキップ払いを選択すると、手数料がかかります。
利用残高や支払い期間によっては手数料の利息が高額になることもあるため、事前に仕組みを理解した上で使うようにしましょう。



3回以上の分割払い



1回、2回の分割払いでは手数料がかかりませんが、3回以上の分割払いを選択すると手数料がかかります。
分割払いは、利用残高を指定の回数で支払い切る方法です。
例えば20万円の買い物を5回払いにしたとすると、4万円+手数料を5ヶ月に分けて支払う形です。
手数料はカード会社によりますが、年率15%と高額であることがほとんどです。
分割回数を増やすほど、1回の支払う金額は少なくなりますが、最終的に支払う手数料も多くなるため、支払い総額が増えるという仕組みです。
リボ払いと異なる点としては、回数指定の分割払いはいつ支払いが終わるかが明確なため、支出管理がしやすいのがメリットと言えるでしょう。
リボ払い



リボ払いとは、利用残高にかかわらず毎月一定の金額を支払い、残債(支払い残高)がなくなるまで支払い続ける方法です。
カード会社によりますが、元金一定額+手数料分を支払う場合と、元金+手数料を併せて一定額を支払う場合があります。
リボ払いの手数料はおよそ年率15%と高い一方、支払い金額が一定なので、利息を支払っている感覚が薄くなりがちです。
クレジットカード会社からすると、手数料収入を高く、継続的に取れる支払い方法のため、入会時の特典やキャンペーンなどでリボ払いをおすすめされることが多いです。
支払いの初期設定がリボ払いになっているカード会社もあるため、今使っているカードの支払い方法を把握していない方は一度チェックしてみてください。
もしそのような状況に陥っている人は、早めに身近な人や消費者センターに相談しましょう。
スキップ払い(据置払い)
スキップ払いとは、1回払いの支払い月を先延ばしにできる支払い方法です。
例えば、1月10万円の買い物をクレジットカードで行ったとします。
翌月25日が支払日のカードの場合、スキップ払いを用いることで翌々月の3月や半年後の8月に支払日を変更できます。
また、スキップ払いの手数料もリボ・分割と同様に年率15%ほどであることが多いです。
支払いの完全な先送りになるため、数ヶ月先にボーナスが入ることが決定しているなど、資金状況が見込まれる場合に使うのが良いでしょう。
カード更新
年会費が必要なクレジットカードを持っている場合、1年ごとのカード更新の際に年会費を支払う必要があります。
また、カード有効期限の際の再発行も同様です。
支払いタイミングは会社ごとに違いがありますが、おおまかに入会月の翌月~3ヶ月後と設定されていることが多いです。
注意点としては、「初年度年会費無料」や「1回以上の利用で年会費無料」のカードです。
「年会費無料」と大々的に謳っていても、小さな注意書きで無料となる条件が記載されている場合もあります。
「無料だと思っていたのに、利用明細をチェックしたら年会費が引き落とされていた」なんてことになるとショックですよね。
お持ちのカードに年会費無料の条件が設定されていないかどうか、確認してみましょう。
クレジットカードの手数料がかかる注意したいケース
上記でご紹介した、一般的にクレジットカードの手数料として認知されているもの以外にも手数料がかかるケースがあります。
ある程度の知識がないと、知らないうちに手数料だけでかなりの金額を支払ってしまうことになりかねないものもあるため、注意点とあわせて解説します。
遅延損害金



クレジットカードの場合、毎月やってくるカードの引き落とし日(支払日)に引き落とし口座に残高が足りない場合に発生します。
支払日を過ぎてしまった日から順次発生し、年率約15%です。
特にクレジットカードを複数枚持っている人や、少額しか使っていない人は、入金のし忘れ等が発生する可能性が高いです。
遅延損害金を支払わずに放置してしまうと、支払わなければならない金額が増えるだけではなく、最悪の場合ブラックリストに載ってしまい、信用情報に傷がつく可能性もあります。
クレジットカードの引き落とし日と、紐づく支払い口座に残高がきちんとあるか、定期的に確認するようにしましょう。
キャッシング



あらかじめ決められているキャッシング枠内であれば、コンビニのATMから審査不要で簡単に現金を借りて引き出すことが可能です。
※キャッシング枠を申請する際には審査が必要です。
手軽に、スピーディーに現金を借りられる点がメリットですが、利率は年率15%~18%と比較的高く、場合によっては消費者金融よりも高い手数料を支払わなければならないケースもあるため注意が必要です。
マークアップフィー(海外事務手数料)



通貨を跨いだ決済になるため、為替レートを考慮するなどクレジットカード会社内でさまざまな手続きが発生します。
利用額の大小に関わらず、処理の手間が増えてしまうため、手数料として約2%を別途支払う必要があるケースが多いです。
海外利用の際は、そのときの為替レートに手数料を加えた金額を換算レートとして計算され、利用金額です。
現地レートよりも2%割り増しになることを頭の片隅に置いておいてください。
自治体を介した決済:消費税、国民健康保険など



例えば、東京都足立区のホームページによると、利用金額によっておよそ1%の決済手数料がかかります。
50,000円の決済であれば、440円が手数料として必要です。
クレジットカードのポイント還元率が手数料よりも高ければお得ですが、手数料の方が高いと損になるため、特に大きな金額を決済する際は事前に還元率を計算してみると良いでしょう。
参考サイト:国民健康保険、納税 足立区
手数料率はいくら?クレジットカードの手数料の計算方法一覧
ここまでクレジットカードの手数料の利率を年率◯%などとお伝えしてきましたが、具体的な金額のイメージが湧いていない人もいらっしゃるかと思います。
ここからは具体的なケースを用いて、実際の支払い金額がいくらになるのかについてご説明します。
リボ払いの手数料の計算方法:JCBカードWの場合
リボ払いの手数料の計算式は
で計算できます。
例えば、JCBカードWを使って5月に10万円利用し、毎月の元金の支払い回数が一定のリボ払いを選択したときのシミュレーションをご紹介します。
シミュレーションの条件を下記とした際に支払いシミュレーターを用いて計算した結果を下の表に記載します。
| 支払い月 | 支払い金額 | うち手数料 | うち支払い元金 | 支払い後残高 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年7月 | 11,027円 | 1,027円 | 10,000円 | 90,000円 |
| 2022年8月 | 11,146円 | 1,146円 | 10,000円 | 80,000円 |
| 2022年9月 | 11,019円 | 1,019円 | 10,000円 | 70,000円 |
| 2022年10月 | 10,863円 | 863円 | 10,000円 | 60,000円 |
| 2022年11月 | 10,764円 | 764円 | 10,000円 | 50,000円 |
| 2022年12月 | 10,616円 | 616円 | 10,000円 | 40,000円 |
| 2023年1月 | 10,509円 | 509円 | 10,000円 | 30,000円 |
| 2023年2月 | 10382円 | 382円 | 10,000円 | 20,000円 |
| 2023年3月 | 10,320円 | 230円 | 10,000円 | 10,000円 |
| 2023年4月 | 10,127円 | 127円 | 10,000円 | 0円 |
10ヶ月で支払いが完了し、支払いの総額は106,683円、支払った手数料は合計で6,683円です。
手数料は支払い後の残高に応じて計算されるため、順調に元金を返済していくことで支払う手数料も減っていきます。
あくまで今回は5月に使った10万円をリボ払いにしたのみのシミュレーションであり、例えば6月や7月に追加で5万・10万とリボ払いを利用すれば、元金が増え、それだけ手数料も増えてしまいます。
リボ払いを多用しすぎると支払い元金が増えて返済が追いつかなくなることもあるので、注意しながら利用してください。
3回以上の分割払い:dカードの場合
続いて、dカードを使って3回以上の分割払いを選択した場合の支払い金額のシミュレーションを見てみましょう。
dカードの分割払いを利用した場合、下記の表に基づいて手数料が決まります。
| 支払い回数 | 支払期間 | 実質年率(%) | 利用代金100円あたりの分割払手数料の額(円) |
|---|---|---|---|
| 3回 | 3ヶ月 | 12% | 2.01円 |
| 5回 | 5ヶ月 | 13.25% | 3.35円 |
| 6回 | 6ヶ月 | 13.75% | 4.02円 |
| 10回 | 10ヶ月 | 14.25% | 6.70円 |
| 12回 | 12ヶ月 | 14.50% | 8.04円 |
| 15回 | 15ヶ月 | 14.75% | 10.05円 |
| 18回 | 18ヶ月 | 14.75% | 12.06円 |
| 20回 | 20ヶ月 | 14.75% | 13.40円 |
| 24回 | 24ヶ月 | 14.75% | 16.08円 |
分割払いの手数料の計算式は
です。
先ほどと同じ条件で3回払いを選択した場合を考えてみましょう。
| 支払い月 | 支払い金額 | うち手数料 | うち支払い元金 | 支払い後残高 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年7月 | 34,033円 | 700円 | 33,333円 | 66,667円 |
| 2022年8月 | 34,033円 | 700円 | 33,333円 | 33,333円 |
| 2022年9月 | 34,034円 | 700円 | 33,334円 | 0円 |
手数料の表にしたがって計算すると、10万円を3回払いした場合の手数料の総額は2,100円です。
では、同条件で10回払いをした場合はどうなるでしょうか。
| 支払い月 | 支払い金額 | うち手数料 | うち支払い元金 | 支払い後残高 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年7月 | 10,670円 | 670円 | 10,000円 | 90,000円 |
| 2022年8月 | 10,670円 | 670円 | 10,000円 | 80,000円 |
| 2022年9月 | 10,670円 | 670円 | 10,000円 | 70,000円 |
| 2022年10月 | 10,670円 | 670円 | 10,000円 | 60,000円 |
| 2022年11月 | 10,670円 | 670円 | 10,000円 | 50,000円 |
| 2022年12月 | 10,670円 | 670円 | 10,000円 | 40,000円 |
| 2023年1月 | 10,670円 | 670円 | 10,000円 | 30,000円 |
| 2023年2月 | 10,670円 | 670円 | 10,000円 | 20,000円 |
| 2023年3月 | 10,670円 | 670円 | 10,000円 | 10,000円 |
| 2023年4月 | 10,670円 | 670円 | 10,000円 | 0円 |
手数料総額は6,700円となり、年率がやや異なりますが、先ほどのリボ払いのケースと大体同じになります。
スキップ払い(据置払い):JCBカードWの場合
次に、利用金額の支払日を数ヶ月先延ばしにできるスキップ払いのケースを見てみましょう。
手数料は、下記の式に当てはめることで算出できます。
手数料=利用金額×手数料率(月利)×繰延月数 JCBカードWのショッピングスキップ払いのシミュレーションツールを用いて具体的な金額を計算します。
支払い条件としては下記で、3ヶ月支払いのスキップをするケースを考えます。
支払い月は、通常だと2022年7月ですが、3ヶ月スキップするため、2022年10月の引き落としです。
上記より、5月に100,000円を利用して3ヶ月のスキップ払いをした場合、10月に103,750円を支払うことになります。
遅延損害金:楽天カードの場合
カードの引き落とし日に口座残高が足りない等で支払いを遅延してしまった際に発生する遅延損害金について、楽天カードを例に具体的な金額をご紹介します。
手数料の計算式は下記です。
楽天カードでの場合、引き落とし日が27日のため、翌日の28日から遅延損害金が発生します。
ショッピング枠の場合は年率14.6%、キャッシング枠の場合は年率20%となっています。
今回は、下記の条件で遅延が発生し、3日後に入金をして支払った場合の遅延損害金の具体的な金額をシミュレーションしてみましょう。
計算式に当てはめると、
の120円が遅延損害金として利用残高に加えて支払わなければならない手数料です。
金額としてはそこまで大きくない印象かもしれませんが、61日以上支払い遅延が続くと、滞納で信用情報にキズがついてしまいます。
万が一支払いが遅延してしまった場合は、できるだけ早くカード会社へ連絡を行い、支払い措置を取るようにしましょう。
キャッシング:三井住友visaカードの場合
クレジットカードでATMから現金を借りられる、キャッシングを利用した場合の手数料計算方法について、三井住友visaカードを例に説明します。
リボ払いの手数料の計算式は、前述の内容と同じですが下記です。
三井住友visaカードのキャッシングは「キャッシングリボ」という名称で、支払い総額が一定となるリボ払いになります。
下記条件で三井住友カードのサイトにあるシミュレーションを行います。
| 支払い月 | 支払い金額 | うち手数料 | うち支払い元金 | 支払い後残高 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年6月 | 10,000円 | 246円 | 9,754円 | 90,246円 |
| 2022年7月 | 10,000円 | 1,220円 | 8,780円 | 8,1466円 |
| 2022年8月 | 10,000円 | 1,131円 | 8,869円 | 72,597円 |
| 2022年9月 | 10,000円 | 1,018円 | 8,982円 | 63,615円 |
| 2022年10月 | 10,000円 | 879円 | 9,121円 | 54,494円 |
| 2022年11月 | 10,000円 | 791円 | 9,209円 | 45,285円 |
| 2022年12月 | 10,000円 | 663円 | 9,337円 | 35,948円 |
| 2023年1月 | 10,000円 | 556円 | 9,444円 | 26,504円 |
| 2023年2月 | 10,000円 | 438円 | 9,562円 | 16,942円 |
| 2023年3月 | 10,000円 | 300円 | 9,700円 | 7,242円 |
| 2023年4月 | 7,441円 | 199円 | 7,242円 | 0円 |
| 2022年5月 | 76円 | 76円 | 0円 | 0円 |
支払い金額が一定のため、元金の返済が分割払いや元金が一定のリボ払いに比べると遅くなり、12回払いです。
また、手数料の総額も7,517円と高くなります。
また、カード会社によって、支払い方法はリボ払いだけではなく1回払いを選べるなど違いがあるので、キャッシングを頻繁に利用する人は支払い方法がどの形式になっているかを一度確認しておきましょう。
マークアップフィー:セゾンカード(アメックス)の場合
クレジットカードを海外利用したときに事務手数料として発生するマークアップフィーについて、セゾンカード(アメックス)を例に手数料の計算方法を紹介します。
セゾンカード公式サイトによると、マークアップフィーは2%かかります。
“アメリカン・エキスプレスまたはアメリカン・エキスプレス代理店がカードご利用代金の売上処理を行った日の同社適用の交換レートに同社の外貨取扱手数料として、2.00%をプラスしたレートで円換算。”
※参考サイト:国内・海外でのセゾンカードの使い方
手数料の計算式としては下記です。
例えば、下記の条件で米ドル決済したと考えます。
その場合の手数料は、下記の通りです。
為替レートに2%上乗せされる形で手数料が発生するので、現在レートとの差を求めることで手数料の計算ができます。
高いクレジットカードの手数料を無料にする方法
クレジットカードの手数料は、利用金額に対して約15%~20%かかるため、非常に高いです。
車や家のローンだと相場が1%~2%程度であるため、比較するとその高さが分かります。
「できることなら手数料は払いたくない」という人が多いので、クレジットカードの手数料を無料にする方法をお伝えします。
分割手数料がかからない2回払いに変更
3回以上の分割払いは手数料が発生しますが、2回払いまでであれば手数料がかかりません。
買い物等でレジで決済する際に、2回払いの旨を伝えれば2回払いにできます。
注意点としては、1回払いで支払った後に、あとから2回払いに変更することはできないクレジットカードもある点です。
例えば、JR東日本が発行しているビューカードはあとから2回払いに変更できますが、三井住友カードは変更できません。
三井住友カードの場合、後から変更できるのはリボ払い・3回以上の分割払いと手数料がかかる支払い方法だけとなっています。
事前にお持ちのカードで支払い方法が後から変更できるのか、変更できる場合2回払いは可能なのかチェックしておくと良いでしょう。
ボーナス払い
ボーナス払いとは、利用残高を夏や冬のボーナス月にまとめて引き落とすことのできる支払い方法です。
例えば、12月~6月の利用残高をまとめて夏のボーナス月である8月に引き落とし、7月~11月の利用残高を冬のボーナス月である1月に引き落とすといったイメージです。
カード会社ごとにボーナス払いを利用可能な期間・支払日が異なるため、詳細な情報は各社のHPをご確認ください。
手数料無料で支払いタイミングを先延ばしにできるので、ボーナスがある会社に勤めている人にとっては便利な支払い方法です。
しかし、ボーナスは確実にもらえる保証があるものではないため、アテにしすぎて使いすぎるといったことは避けましょう。
クレジットカード手数料がかかる違法なケース:加盟店規約違反
私たちがクレジットカードで決済するたびに、お店側はクレジットカード会社に決済手数料を支払っています。
しかし、この決済手数料を私たち利用者に支払わせようとする悪質なお店も存在しています。
前述しましたが、私たちが自分の意思で分割払いやリボ払いを選択しなければ、会計時にクレジットカードの手数料を支払う必要はありません。
そのため、お店側がお客さんに「クレジットカードの使用手数料を請求するのは禁止されている」ということを知っておくと、損をしてしまうことを防げます。
ここでは、日常生活で出会う違法なケースについてご紹介します。
5,000円以下の場合はクレジットカードは使えません
飲食店でのお会計時に、「代金5,000円以下の場合はクレジットカード手数料負担をしていただきます。」などと言われた経験はありませんか?
実は、これらは店側の加盟店契約違反にあたる行為です。
前述の通り、決済金額に対する手数料は全て店側の負担となり、それを利用者に請求することは規約違反です。
同様に、
「◯円以上でないとクレジットカードは使えません。」
「ランチはクレジットカード使えません。」
といった制限も規約違反に当たる行為です。
クレジットカード払いの場合は10パーセントの手数料を徴求します
クレジットカード支払いの場合に、通常よりも明らかに高額な手数料を請求されるケースです。
クレジットカード決済で店舗が決済代行会社へ支払う手数料は、業種・規模によって異なりますが、コンビニやスーパーで1%~2%ほど、レストランや居酒屋などの飲食店で5%ほど、小売店で4%ほどです。
それよりも高い手数料を請求された場合、加盟店規約違反に該当します。
カード会社の規約では、「現金販売とクレカ販売で販売価格を同じにしなければならない」という旨の記載があります。
その規約から考えると、明らかに値上げをしているため、加盟店規約に違反しているケースだと言えるでしょう。
クレジットカード手数料を違法に徴求されたらどうすればいい?おすすめ対処法
実際に、お店から違法な請求を受けた場合の対処法をご紹介します。
まずは、「クレジットカードの規約違反である」という旨を店舗へ伝え、現金払いによる値段と同じにしてもらうように交渉しましょう。
例えば、「クレジットカード加盟店の規約違反に当たると思います。現金と同じ金額で決済させてください。」といった具合です。
もし対応してくれない場合は、一旦その金額で決済を行います。
その際に利用明細とレシートを必ず持ち帰り、クレジットカード会社のコールセンターへ通報しましょう。
「何月何日のどの店に支払ったいくらの取引で、手数料分を上乗せで請求された。」と状況を明確かつ具体的に伝えると同時に、レシートを控えてある旨も忘れず伝えましょう。
その後はカード会社が解決に向けて動いてくれ、店舗へは是正指導を行い、上乗せされた金額も返金処理されます。
お店が店舗負担の手数料を払ってでもクレジットカード決済を導入する理由
クレジットカード決済を導入すると、お店側はカード会社に決済手数料(1%~7%ほど)を支払う必要が出てきます。
しかし、そうした手数料負担を負ってでもお店側がクレジットカード決済を導入するのには、どのような理由があるのでしょうか。
キャッシュレス決済が推進されているから
一つ目は、政府が国の政策でキャッシュレス決済を推進していることが挙げられます。
世界的に見ると日本はキャッシュレス化が遅れており、訪日外国人を増加させるためにもキャッシュレスの普及が急務だと考えられています。
そこで、導入する店舗の負担を減らすために、導入費用の一部負担を行っています。
消費者への還元事業も行われており、今後キャッシュレス決済としてクレジットカードを使う人がさらに増えると考えると、現金決済のみの店舗では客足が遠のいてしまいかねません。
店舗側としても今のうちに導入し、長い目で見た時の売り上げアップに期待しています。
ボーナス前の購買意欲を掻き立てるため
二つ目は、ボーナス前の利用者の購買意欲を掻き立て、一人当たりの購入単価(売上)を上げるためです。
クレジットカードは支払いタイミングが少なくとも1ヶ月先になり、ボーナス払いを利用すると、さらに支払いを先延ばしできます。
「また給料が入ってくるから先に買っても問題ない、大丈夫だ」と、大きな買い物にも手が出やすくなります。
店舗側からすると、そのような購買意欲向上を狙い、クレジットカードの導入を行うことが多いです。
分割払いができた方が、高額な商品でも購入されやすいから
三つ目は、クレジットカードで分割払いができると、高額な商品であっても購入してもらいやすくなるからです。
高額な商品を取り扱っている場合、分割払いを選択できるクレジットカードを導入することで、購入のハードルを下げる狙いがあります。
一般的な消費者の感覚では、一括で大きな出費をすることに抵抗があることが多いです。
しかし、分割して少額の支払いを毎月するのであれば、一気に抵抗感は無くなります。
また、事業者からみると、クレジットカード会社が一括で代金を支払ってくれるため、支払いを踏み倒されるリスクもありません。
数%の手数料を支払うだけで、売り上げアップが見込めるのです。
クレジットカードの手数料の支払いでよくある質問【利用者編】
ここからは、クレジットカードの手数料の支払いで利用者から多く寄せられる質問にQ&A形式で回答します。
手数料に関する疑問は全て解消し、安心してクレジットカードを利用できるようになりましょう。
- 何回からクレジット分割手数料はかかるの?
- 分割回数は最大何回までですか?
- あとから分割に変えられる?逆に一括払いに変更できる?
- 一括払いのみなど、分割できない支払いはあるの?
- リボ払いの残高がいくらか知りたい、一括返済ってできるの?
- 遅延損害金の確認、支払い方法は?
- クレジット手数料はなぜ高いの?
- シミュレーションができるサイトはある?
- カードの上限によって、支払い回数の上限も変わる?
- マスターカードならクレジット手数料は全て一緒?
- 楽天ペイにもクレジット手数料はかかる?
- 電子マネーにも手数料はかかる?
- 手数料の支払いにポイントつかない?
- クレジットカードの手数料の支払いでよくある質問【加盟店編】
- クレジットカード手数料は課税?非課税?国税庁の見解は?
- 加盟店手数料を安くする方法はある?
- Airペイ(エアペイ)にも手数料はかかる?
- クレジットカードを導入した店舗側にデメリットはないの?
何回からクレジット分割手数料はかかるの?
3回以上の分割払いから、クレジットカードの手数料は発生します。
1回払いはもちろん、2回の分割払いや、ボーナス払いでは手数料はかかりません。
手数料のことを考えると、なるべく2回払いまでで利用するのがよいでしょう。
分割回数は最大何回までですか?
イオンカードの60回払いが最大です。
カード会社によって上限の分割回数は異なりますが、24回や36回の分割払いに対応しているところが多い印象です。
分割回数を増やすことで月々の支払額は抑えられる一方、支払う手数料は分割回数に比例して増えてしまう点には注意してください。
あとから分割に変えられる?逆に一括払いに変更できる?
どちらもほぼ全ての会社で変更可能です。
例えば、楽天カードであれば、楽天e-NAVIというマイページから3回~36回払いまで変更できます。
また、分割払いやリボ払いを翌月一括払いに変更することも多くのカード会社では可能です。
しかし、ライフカードなど一部のカード会社では変更できない場合があるので、使っているカード会社のHP等を確認してみるのが確実です。
一括払いのみなど、分割できない支払いはあるの?
あります。
店舗が分割払いに対応していないケースや、カード自体が分割払いに対応していないケースです。
ただ、店舗が分割払いに対応していないケースでも、カードのマイページから手続きをすることで分割払いに変更することは可能です。
分割払いができないカードを利用している場合は、分割できるカードを発行しましょう。
リボ払いの残高がいくらか知りたい、一括返済ってできるの?
リボ払いの残高は、利用しているクレジットカード会社サイトのマイページから確認できます。
クレジットカード会社に電話で問い合わせることでも確認できますが、ネットから見る方が手軽です。
また、リボ払いの残高を一括で返済することも可能です。
マイページより申し込み後、指定口座からの引き落としか銀行振込が利用できることが一般的です。
リボ払いの手数料は支払い期間が長くなればなるほど高いので、一括で返済できると支払う手数料の額を抑えることができます。
遅延損害金の確認、支払い方法は?
支払い方法としては、後日自動的に支払い口座から引き落とされるケース、指定の銀行口座に振込するケース、払込用紙が届き、コンビニから支払うケースなどがあります。
通常、支払い口座の残高不足で支払いができなかった場合、クレジットカード会社より支払い案内が届きます。
その際に、遅延損害金が発生している場合は利用額と請求額の差額で把握できます。
また、記事前半で説明した遅延損害金の計算式を用いて計算することも可能です。
クレジット手数料はなぜ高いの?
クレジットカードは、金利が高くなる条件を満たしているためです。
金利が高くなる条件の例として、使い道が限定されていないこと、審査が厳しくないこと、担保がないこと、などがあります。
お金の使い道が決まっており、審査もしっかりと行われる住宅ローンや車のローン、奨学金や教育ローンは金利は低くなります。
シミュレーションができるサイトはある?
基本的にあります。例えば、JCBのシミュレーションサイトなどです。
カード会社によってシミュレーションサイトがない場合もあるので、「お使いのカード会社名 シミュレーション」などと検索してみると良いでしょう。
また、シミュレーションサイトがない場合でも、利用金額、年率、支払い回数等を入力すれば他のカード会社のサイトを使っておおよその金額を計算できます。
カードの上限によって、支払い回数の上限も変わる?
カードの利用可能額の限度額によって、支払い回数の上限は変わりません。
支払い回数の上限は、カード会社によって決められており、12回払い、24回払い、36回払いの支払い回数が上限となっているカード会社が多いです。
マスターカードならクレジット手数料は全て一緒?
違います。
大手の楽天カードや三井住友カード、イオンカードなど、クレジットカードを発行している会社がそれぞれで手数料を決めています。
マスターカードはクレジットカードの国際ブランドの1つであり、その他VISAやJCB、アメックスもブランド名です。
楽天ペイにもクレジット手数料はかかる?
かかりません。
楽天ペイはQRコード決済であり、クレジットカードはまったく別物です。
楽天ペイは単なる決済用のアプリに過ぎず、支払い元がないと使えません。
楽天ペイの支払い元として銀行口座やクレジットカードを登録する必要があります。
同様のサービスに、ペイペイやline pay、d払いといったものがあります。
例えば、楽天カードを楽天ペイに紐づけて利用した後に、楽天カードの支払いを分割払いに変更したり、支払いが遅延した場合には手数料が発生します。
少しややこしいですが、あくまで楽天カードの手数料のため、楽天ペイの手数料ではありません。
電子マネーにも手数料はかかる?
利用者側から見ると、電子マネーを利用しても手数料はかかりません。
電子マネーはプリペイド型の物が多く、1,000円チャージすれば1,000円として電子マネーを使えます。
先払いのため、分割払い手数料が発生することもありません。
ただし、店舗側から見ると、クレジットカードと同じく数%の手数料がかかります。
手数料の支払いにポイントつかない?
つきません。
手数料の支払いは、還元ポイントの対象外です。
多くのカード会社では、手数料、年会費や保険料、電子マネーへのチャージ金額などはポイント付与の対象外です。
クレジットカードの手数料の支払いでよくある質問【加盟店編】
クレジット会社の加盟店から多く寄せられる質問にQ&A形式で回答します。
クレジットカードの導入を検討している経営者・担当者はぜひ参考にしてください。
クレジットカード手数料は課税?非課税?国税庁の見解は?
現行の法律では非課税です。
国税庁によると、店舗がクレジットカード会社へ支払う手数料は「消費税法施行令第10条第3項第8号」に該当し、非課税です。
また、消費者がクレジットカード会社へ支払う手数料についても、「包括信用購入あっせん又は個別信用購入あっせんに係る手数料又は賦払金のうち利子に相当する額」と認識され、非課税です。
詳細は、国税庁のホームページをご確認ください。
加盟店手数料を安くする方法はある?
あります。
クレジットカードであれば他社に交渉を持ちかけ、最安の業者と再契約することが考えられます。
また、クレジットカード以外の決済手段として、スマホ決済(QRコードや端末決済)を導入すると、手数料を抑えられます。
スマホ決済の手数料はおよそ3%に設定されていることが多いため、現状4%以上の手数料を支払っている事業者であれば、経費を安くできます。
Airペイ(エアペイ)にも手数料はかかる?
かかります。
決済手数料は業種や規模を問わず、3.24%または3.74%となっています。
エアペイ(Airペイ)とは、さまざまな決済をiPadやiPhoneとカードリーダーで決済できるサービスです。
振込手数料や固定費はかかりませんが、決済手数料は前述のパーセンテージでかかります。
クレジットカードを導入した店舗側にデメリットはないの?
デメリットはいくつか考えられます。
手数料が取られることに加え、導入のための初期費用がかかること、入金サイクルにラグが生じることも大きなデメリットです。
現金決済の場合、商品やサービスの提供と同時に代金が入ってきますが、クレジットカード決済の場合、締日と支払日にタイムラグが生じます。
売り上げが現金化されるまで時間がかかるため、例えば、商品を大量に仕入れたい場合にも資金が多くないと費用を捻出できません。
まとめ
- 手数料は2種類ある(カード利用者が払う手数料と店舗が払う手数料)
- 3回以上の分割払いは手数料がかかり、金利も高額になるので注意
- 2回払いやボーナス払いを使うと手数料を無料にできる
- 手数料を料金に上乗せする違法な店舗が存在するので対処法を知っておく
いかがでしたでしょうか。
クレジットカードは身近ですが、「手数料については知らないことも多かった」という人も多かったのではないでしょうか。
特に「手数料を無料にする条件」や「店舗が手数料を上乗せしてはいけない」という知識は、あまり知られていない情報です。
キャッシュレスで支払いを分割したり、先延ばしにしたりと便利なクレジットカードですが、仕組みを知らずに使い続けてしまうと手数料の支払いが大きく膨らんでしまう可能性もあります。
きちんとした知識を身につけた上で、正しく使うことが大切です。






